大手町の森 ・ 都心のド真ん中に自然の森が出現

大手町タワーのオーテモリ(OOTEMORI)が、5月にグランドオープンしたので様子を見に行きました。
何と、昨年8月に竣工したばかりのビルの前庭に、突然、自然の森が出現しておりましたよ。「大手町の森」と呼んでいるようです。

オーテモリの商業ゾーンはさておき、3,600㎡の空間ですが、新しい発想での森づくりに興味がそそられました。超都心の大手町に、自然の森を創るとは、非常に大胆な試みです。  まさに恐れ入谷の大手森ですよね。

<従来の公開空地>
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高層ビルの周りは、通常、公開空地で、一般の人々が利用できるような仕組みになっています。
一昔前は、著名な作家による屋外オブジェを置くのが流行りました。
近年は植物で構成するケースが多く、クスノキなどの高木の下に、ツツジなどの大刈り込みを配置するのが一般的です。これでも、景観や環境に配慮された空間であり、木陰なども確保されています。

<天空に開かれた森>
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大手町タワーの超高層ビルの地階空間から、前面に開けた森の中にエスカレータで突入です。ちょっぴり、わくわくしますよ。

<めざす森づくり>
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「めざしたのは、より自然の姿に近く、この地にふさわしい植物が織り成す森」 だそうです。このために、「別の地で3年間に及ぶ検証を経て育み、大手町に移植しました」とのことです。
どおりで、出来立てのビルの前庭にしては、熟成度が高く、樹林が馴染んでおりました。

<林床植生>
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森には林床がつきものですが、林床植生の概念を導入したのは、お見事ですね。
普通は、丈夫な地被類を植えて、綺麗に仕上げるのですが、ここでは自然の林床植生の回復を目指しているようです。こんなに手の掛かる事をやる開発者は珍しいですよね。

<天空が塞がって>
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樹木の樹冠がくっ付き、閉鎖した状態になってきていますよ。木の生育に従い、森の中がだんだんと暗くなってきます。林床植生の管理も大変になってきます。
頑張って素晴らしい森を育てて下さいね。


昭和50年代に東京都の海上公園事業で、東京港の埋立地に、このような自然の再生事業を展開していました。
当時も自然のあるべき姿を模索し、「イノデ・タブ群集」や「ヤブコウジースダジイ群集」などの自然植生を調査して、階層構造をもった自然の森づくりを目指していたようですね。
それから半世紀、都心のど真ん中で、同じような発想で森づくりが行われたとは、感慨深いものがあります。

地球環境時代と言われて久しいところですが、大手町の森づくりの発想が各地の都市づくりに伝播することを祈ります。


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